たら本40

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 たらいまわし 本のTB企画、第40回目「一冊たちブログ」のタナカさん主催。お題は『こたつで読みたいバカバカしい本』。
 まだ2回目の参加ですが、どんな本で何冊でもいいので参加しやすいですね。
SFファンとしては当然ぶっとんだ話、バカバカしい話は好きですねえ。というわけでまたSF中心になってしまった。とにかく最初に思い出したのが・・・

・「氷になった男」 かんべむさし (たしか)『建売住宅温泉郷』収録
 カフカの「変身」のパロディ。主人公の名前が<グレゴール・ザムザ>ならぬ<水凍る寒さ>なんだからもう最高。一生忘れらない駄洒落である。ただ残念なのは、最近は古典新訳文庫もそうだが<グレーゴル>という表記になっており、この駄洒落の楽しさが半減しているのが惜しい。
・「ボール箱」 半村良 『75年日本SFベスト集成』収録
 こちらは氷ではなく段ボール箱が主人公である。段ボール箱の気持ちが存分に描かれた小説などという信じがたいほどバカバカしいアイディアが形になったこの凄さ!
・「使者」 星新一 『さまざまな迷路』収録
 これもベスト集成に収められていた。このシリーズで短編好になったのかもしれない。これまたわずか2pの爆発的な破壊力のナンセンスショートショートである。
・『内宇宙への旅』 倉阪鬼一郎
 当方クラニー初心者である。何気なく手に取ったこの本のものスゴーくアホらしい仕掛けに卒倒しそうになった。いやあ最高。さらにクラニー先生を探求しなくては。
・「ベムがいっぱい」 エドモンド・ハミルトン 『世界ユーモアSF傑作選1』収録
 さて海外もの。1942年作ということで先駆性も評価される名作だが、基本的には酒場ノリの冗談が発端だろう。妄想ばっかり繰り広げているSFファンに猛省を促す有難い教訓譚である(??)。
・「象が列車に体当たり」 ウィリアム・コツウィンクル 『狼の一族』収録
 最後はやっぱり(ワンパターン?)異色作家短篇集から。バカバカしいという意味では『エソルド座の怪人』の「トロイの馬」(レイモン・クノー)も負けてないんだが、馬より象の方が大きいし列車に体当たりしてくれるし(何の差?)。とにかくタイトルどおりというかなんというかなんとも変な話なのである。