ポリス@東京ドーム

 行ってきました。あまりにポリスらしいポリスであった。
 ドームのコンサートなんて10数年ぶりかしらん、と会場に向かい、アリーナ席位置の分かりにくさに困惑しながらも前座のFictionplaneの演奏中に到着。3人編成でレゲエ風味のロック、って演奏しっかりしてるけどポリスに似過ぎ?と思ったらイケメンのヴォーカルはスティングの息子とな。お父さんを尊敬してんだな素直な息子、とすっかりスティング側の気持ちになる(苦笑)。
  で、7時半過ぎに御本家登場!分厚い眼鏡と白髪で年をとったガリベン少年のようなスチュアート・コープランド、当然ながらしわの目立つお顔に変な黒いつなぎ(?)を着たアンディ・サマーズが出て来た時には本当に大丈夫か!?とちょっと心配になった。一曲目‘Message in a bottle’でスティングの歌声が響くとグッと気分が高まる。当然昔と同じハイトーンのヴォーカルという訳ではないが、ゆったりと味わいのある以前とはまた違った雰囲気だ。二曲目に‘Synchronicity?’と緊密な曲がくる。基本的に以前と同じようなアレンジながらゆったりと処理をしている。ここらへんまではメンバーもまだ十分リラックスしていないようだったが、その後ヒット曲・有名曲連発で次第に熱を帯び、年齢を感じさせないパワフルさと三人編成ならではのスリリングな音作りで聴衆を圧倒していく。心配無用であった。
 何より驚くべきなのは最後まで打ち込みを最小限にして(1曲ぐらい?)、三人のみでのパフォーマンスを徹底して行ったことである。ご存じの年齢構成である中でのこの選択はともすれば蛮勇とも受け取られかねない。思えばポリスとはそんなバンドだった。音楽性を重視して選ばれたプロ意識の高い音楽集団である一方、パンクロックの大胆な意匠をアイディアに取り入れた思い切りの良さも特徴であった。約四半世紀後にそのまま三人編成のコンサートを行うなどというのはある意味無謀だが、様々な制約を乗り越え時に細部へのこだわりを捨てて大胆不敵にでかい会場に挑んだのだ。もちろんプロ意識の高い彼らのこと、シンクロニシティ当時に匹敵するパフォーマンスとこちらが思うようなその裏にはおそらくは周到な準備やアイディアもあったのだろう(勝算がなければコンサート自体を行わなかったと思う)。
 嫌々参加したのではないかと勘ぐっていたアンディたしか65歳が異様に元気なのに驚かされた。凄すぎ。スチュアートのドラムも素晴らしく随所に意欲的なアレンジを入れていたのに関心させられた。また当然ながら楽曲のよさスティングの歌のよさにもしびれた。
 シリアスでありながら遊び心のある、緊密なような好き勝手なような、実にポリスらしさに富んだ最高にイカしたコンサートであった。