映画‘幻影師アイゼンハイム’

 19世紀末ウィーン。驚くべき技量を持つ奇術師アイゼンハイムは人心を惑わすまでの人気を誇っていた。やがてその評判は皇太子とその腹心である警部にも届くことになる。彼を出し抜きたいと思う皇太子だが、アイゼンハイムには知られざる過去があった。

 というわけで、‘プレステージ’に似てるのは承知の上で観てきた。古い劇場だとか衣装だとか小道具だとか全体の雰囲気は素晴らしい。エドワード・ノートンのちょっとした手つきも奇術師らしくみえる。話そのものは‘プレステージ’よりシンプルというか普通でひねりの少ない感じで、普段オチの読めなさ予想出来なさに自信があるこのオレがわかっちゃうのはどうかなあ。伏線もやや古めかしい感じ。
まあ映像的にはきれいだし、ストレートなラブ・ストーリーだし、デート映画としては合格でしょうか。あと監視しながら奇術のタネを知りたいと揺れる警部ウールはなかなかいい味でした。ちなみに原作というかミルハウザーは気になりながらも未だ読んだことがない。