京都・神戸をゆく〜植治の庭 前編〜
所用にからめて先週京都と神戸を観光。タイトルのように今回のテーマは庭園。鎌倉園がらみからにわか日本庭園ファンになり、いよいよ植治の主舞台である京都へ。
まずは平安神宮。明治28年に平安京遷都1100年を記念して、桓武天皇を祀り創建された(現在は孝明天皇も加わっている)。朝早かったが修学旅行生と思われる高校生も大勢いた。
平安神宮の神苑は神域をかこむ回遊式庭園になっていて、国の名勝に指定されている。南神苑、西神苑、中神苑、東神苑の4箇所から成り、7代目小川治兵衛の作庭である。写真は旅行中に読んでいた谷崎潤一郎の『細雪』に出て来る南神苑の桜。季節外れだと単なる木だ。この南神苑には竹取物語、伊勢物語、源氏物語、古今和歌集、枕草子など古典に登場する草木が、解説と共に並んでいて興味深い。もっと古典と植物に詳しかったらなあ。
なぜか日本最古の電車が。へー。
次は花菖蒲の咲く西神苑。ここには滝もある。
睡蓮や河骨の蒼龍池のある中神苑。
龍が臥しているような臥龍橋。この円形の飛び石のパターンは洛翠庭園にもみられる。7代目の得意技らしい。
さて最後に京都御所から移築したという泰平閣と尚美館のある東神苑。これが泰平閣。
こちらが尚美館。神苑は30,000m2あり、広くて変化に富んでいてみごたえ十分だ。
さて次に洛翠庭園に向かうつもりだったが途中で白河院を偶然に見つけたので一枚。白河院はもと藤原良房の別荘で、その後白河天皇に献上され、そこに法勝寺が建立された。大地震などを経て法勝寺は廃寺となるのだが、そこに7代目植治が庭を作ったのである。現在は旅館になっている。写真はその庭。和館の横にクロマツの大木が配され、遠近感が打ち出されているとのこと。
さて明日は植治の庭後編です。