ベルギー幻想美術館 Bunkamura ザ・ミュージアム

 久しぶりに美術館、Bunkamura ザ・ミュージアム‘ベルギー幻想美術館’をみてきた。象徴主義からシュルレアリスムの流れというのがあることを不勉強ながらはじめて知る。で、メインのデルヴォー、移動遊園地の仕掛け人形がモデルとなったという眼の大きい無表情な女性像のセンスは、脳内彼女の先駆だろうか。‘クロード・スパーク『鏡の国』のための連作 「最後の美しい日々」より’という小説の挿絵のシリーズがあってこの内容がまた。妻の死を悲しむあまり剥製にして元のように生活を共にするんだけど、結局自分が年老いる一方で妻の方が若くなっていくのが辛くなり殺してしまうという筋なのだ。まさしくデルヴォーにぴったり。現代に通ずる要素のある興味深い画家である(実は絵自体はあんまりいいと思わないんだけどね。気持が悪いというわけではなく、凄いと感じないといったあたり。有名な「海は近い」はまあまあかな)。他はジェームズ・アンソールのうねうねした線が面白かった。どこかでみたことがあるな、と思ったらラファティの『地球礁』の表紙がこのアンソールだった(『陰謀』という作品、今回は入っていない様子)。