‘イングロリアス・バスターズ’

 昨日、藤沢のフジサワ中央でようやく‘イングロリアス・バスターズ’を観た。自分にはいままでで一番わかりやすいタランティーノ映画で、大いに楽しめた。
 ナチスを片っ端から暗殺する特殊部隊とナチスの攻防を描く。映画に限らず優れた作品にはいろんな要素があるけれど、これもストレートではないにしろスパイ・復讐劇・アクション・(いちおう)ロマンスなどなどの要素が見事に(独特の味だけど)からまりあっている。それにしても、クリストフ・ヴァルツ演じるナチスのランダ大佐のキモ怖ろしいことといったら!英語・フランス語・イタリア語を駆使しての素晴らしい演技は本当にお見事で、彼のための映画といっていいかもしれない。その彼が脚本を読んで「クレイジーだと思った」というぐらい全くもって好き勝手な内容の話だけど、ひとときも飽きさせられなかったんだからもう降参。 個人的には、今まで長い会話のシーンがどうも苦手だったんだけど、今回は長い会話のシーンがどれも緊張感たっぷりだったのがよかった。(追記→)ああそうだ、いつも通りだけど映画についての話になっていて、きちんと必然性があるところに心を打たれた。ひとつ気になったのは女性の描き方に癖があること。最初は美しく撮られてるんだけど一番肝心のところで美しく撮ろうとしていないような(メラニー・ロランはそんなことはないが、ダイアン・クルーガーの方はねえ・・・)。このことは誰かが指摘していたような気もするので、別に目新しい視点ではないと思うけど。とにかく出演する女優は悩みそうとか余計なことを考えたり。
 劇場も昔ながらの映画館で、この映画に合っていたなあ。観客は少なかったけど。
 帰りにBook Circusという古書店(Book Offよりレアな本やCDを扱っている)に寄ったら、なぜかGeoff RymanのUnconquered Countriesがあったので、内容はよく知らないけど確保しといた(どうやら「征たれざる国」が入った中短篇集のようだ)。あと‘牧神’という見慣れない雑誌が並んでいて気になったのだが、Thornさんによると知り人ぞ知る名雑誌のようだ(まとめ売りで中身見られず残念)。