STRANGER Bernie Worell on Earth[ストレンジャー:音の漂流者バーニー・ウォーレル]

 さてブーツィーライブで購入したDVDがこれ。
 
P-funkサウンドの要、クレイジーな集団のサウンドをまとめ上げる一方でその誰よりも宇宙的で異常な音をたたき出す天才バーニー・ウォーレルを競演したミュージシャンらのインタビューでつづるドキュメント。
 全体2時間25分のうち40分と短い本編の方は伝説的ミュージシャンとして過度に神格化するような編集になっていて、あまり感心しない。生活に窮していることが強調され、いまにも無名のまま野垂れ死にしそうなくらいに描かれているが、このDVDから6年後今回のブーツィーライブでもバーニーは全然元気だった(笑)。まあ日本ではバーニーは割りと人気が高い気はするので、本国での認知はこんなものなのかもしれないけど。また経歴についてはほとんど出てこないのも資料的価値として問題。しかし本編外のインタビューの方はプロ達が彼の功績や音作りの特徴を熱く語っているので見応えがある。日本版には吉田美奈子屋敷豪太奥田民生も登場する。
 ロックからファンクに入った者としてはトーキング・ヘッズとトム・トム・クラブはその導入としてきわめて重要なバンドなので、そこにバーニーの影響が予想以上に大きかったというのは個人的に印象的だった。元々P-funkの手のひらの上に乗っていたんだなー。ステージ上でも時折感じられるが素顔のバーニーはやっぱりピュアで音楽のことしか頭にないひと。知り合いでもないファンでもない金のないアヤシいレスラーとのやり取りをみると、他人事ながらバーニーのお財布がついつい心配になってしまう(笑)。