最近見た映画など

備忘録的に。

リンカーン/秘密の書」 ヴァンパイアが跋扈する18世紀後半、後の第16代アメリカ大統領若かりしリンカーンは弁護士になる勉強に励む傍ら、夜はヴァンパイア・ハンターとして活躍していたのだ!例の『高慢と偏見とゾンビ』セス・グレアム=スミス原作。まあ多少ツッコミどころもあるけどそこも含めてシリアスな顔で演じられるコメディとして見るのがいいのではないかと。リンカーンが斧を振り回して暴れるのが映像で見られるだけで楽しかったよ!惜しむらくはニューオリンズのシーンが短かったことだな。蒸気船のシーンはもっとみたかったよ。全体的に流行りのスチームパンクっぽい味もよかった。メアリー・リンカーン役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドもよかったが「グラインドハウス」のチア娘だったんだねえ。

「アルゴ」 1979年のイランアメリカ大使館の人質事件は世代的におぼろげながら記憶はあるが、その救出作戦を元にした映画。架空のB級SF映画撮影を装うという信じられない内容が実話というんだから、これはもうネタ選びの勝利。話としてはもうちょっと無茶があってもいいのかなあという感じも無くはないが、まあ実話ベースであること自体が驚きで演出し過ぎると嘘臭くなってしまうのかなあ。アメリカのパートの些細な動きが大きく運命を動かすところなんかは上手かった。ベン・アフレックの主人公トニーは脱出を演出するだけだからアクションはないのでそういうカタルシスは乏しいのは好き好きだろう。ノンフィクション本を読んでみたくなるような話。トニーの髭面はマイケル・マクドナルドを連想させあの時代らしかったり(笑)

英国王のスピーチ」(TV視聴) 第二次大戦に突入する暗い時代、吃音に悩む英国王が困難を克服していく。国王役のコリン・ファース言語療法士役のジェフリー・ラッシュの演技が素晴らしい。隅から隅まで英国らしい美術や衣装やセットや風景に助演賞をあげたい。ちなみに主人公ジョージ6世の兄エドワード8世はいわゆる<世紀の恋>により王室を去ったことでひと昔前はその情熱的な生き方が随分美化されていた気がするが、本作ではシンプソン夫人含め享楽的な面が強調されフラットに描かれていた。時代の変化のせいだろうか。夫を励ますヘレン・ボナム・カーターもよかった。