『ピーナツバター作戦』 ロバート・F・ヤング

 小さい頃、ピーナツバターって嫌いだった。ピーナッツが元々好きではなかったし、甘ったるい味も加わって、さらに馴染めなかった。兄弟や同級生はピーナツバターが好きだった。皆が好きなものを嫌いだったんで、なんだか疎外感を感じたものだ。大人になるとさすがに話題に上ることはなくなり、忘れかけていた。が、最近になり、息子は割りと好きだと知ったりして、子供時代の気分を思い出した。
 そうそうそんなことはともかく表題作はちょっと甘めのピーナツバターが素材としてぴったりくる切ない名作。別にピーナツバターは好きにならないけど。
 
全体にキリスト教、神話、伝説が重要なテーマとなっているものが多くちょっとおカタい感じ。女性キャラが類型的なのも気になる。正直「種の起源」とか後半未整理な感じもありついていけなかった。表題作のほかは現実論のディスカッションがちょっとユニークな「星に願いを」が良かったかな。訳者はその辺が気に入ったのかと勘ぐったりして