‘Empire Star’ Samuel R. Delany

 10年前にたしかトロントで買った原書を読んでみた。この世にはBabel-17とEmpire Starが背中合わせになったカッコいいダブルブックというやつがあるらしいと以前聞いていて、手に入ればなあと思っていて、その時は仕事で出かけたのだが、偶然見つけた古書店でそのことを思い出して探してみたが、結局なくてBallad of Beta 2とEmpire Starが一緒になったのを安価で手に入れた。その時気まぐれに買ったSFはほとんど読んでいないなあ(マイクル・コニイだとかジョン・ブラナーだとか、そうそうスタージョンの‘E Pluribus Unicorn’=『一角獣、多角獣』も買ったっけ)。
 で、その‘Empire Star’。前半ずいぶんストレートな道具立てのスペース・オペラで可愛らしいくらい。3‐Dogってアレだな。あとメタフィクションっぽい意味のありそうなフレーズもある(スタージョンへの言及あり)。全体は円環構造のようだ。
 以上がかろうじて言えるくらいで、後半から筋を見失ってしまったのでうーん。読後に他であらすじの一部を読んで、全然分かっていなかったことに気づき愕然。まあとりあえずディレイニーの原書に目を通してみたってことで。

  それから全然関係ないけど、メジャーリーグ薬物使用の選手リストが公表された。すげえ大物ばっかなんだけどどうやって決着つけるんだろう?

※2010 3月12日追記 twitterをやるようになり、そのEmpire Star/Babel-17のダブル・ブックを購入。で、ダブル・ブックの大元の情報源のSFM1996 8月号北原尚彦氏のエッセイをを読んで驚愕の事実が!このカップリング書かれた当時実現しなかった組み合わせだったのだ。いやー10年以上誤解してたよ。幻の本を探していたという話。なんだかディレイニーらしい世界に迷い込んだようだ。単なる誤解だが変に得をした気分だったりする。