『終りなき戦い』 ジョー・ホールドマン

 いまさらシリーズ。有名な戦争テーマの名作ということで、もっとドロドロしたものを想像していたが、戦争を中心に据えてそこからどういう風に社会が変化するか次々にアイディアを展開させていく実にSFらしい作品だった(ちなみに『虐殺器官』の方が内省的かな)。さすがに1974年の作品ということで、驚愕するようなネタは飛び出さないものの、最後に登場する意外な未来社会の様相のように髄所で現れるアイロニカルな視点は実に鋭いものがあり、リーダビリティも高いのでやっぱり名作だ。