ミュージックマガジン9月号 CKB特集

 最近は時々しか買わないミュージックマガジンだが昔はずいぶん影響を受けていた。元編集長中村とうようの世界中の幅広い音楽を聴きこんできた優れた批評耳で、特に80年代から90年代初頭レゲエの台頭や世界中のポピュラー音楽が聞かれるようになる一方でロックがそうした時代の影響を受けながら世界中に浸透していく折に、ミュージックマガジンはその彼の強烈な個性(各分野のそうそうたる面々との論争やらちょっとしたいざこざやらがしばしばあった)とあいまって大変刺激的な雑誌だった。ちなみに今の高橋修編集長はアニメ好きである。時代だなあ。
 まあそれはともかく。本格的なCKB特集で、情報も多くこれから聴き始めようという人にいいのではないか。結構知らない情報もあったし(特にパンソリやモーラムの話は面白かった)。ただ、情報が多いというのも曲者で、間口が広すぎるCKBの場合逆にどこから手をつけていいか分からなくなったりするのでは?とお節介な当ブログ主は心配になる。そこで、当ブログではこんな人にこんなアルバムをおススメ!ってのを独断と偏見でやっちゃいます。というわけでCKB特集記事をまた今日も追加です。

○「とにかくどんなバンドなの!ムツカシイことはいいからわかりやすいのはどれ?」という方
→最新作‘ガール!ガール!ガール!’でしょう。コンパクトで明快な曲が多い。変なユーモアや実験性もやや控えめで一般性に富んだサウンドP-funkでいうと“ワン・ネーション〜”みたいな・・・(<既に例えが一般的ではありません)。
○「興味はあったよ。でも昭和とかいって古そうでさ。乗り遅れたんだけど癪だから何とか知ってる振りをしたいんだけど」の方
→“Zero”。初期作の方を押さえた方が通っぽいけどまあそこは無理せず、聴きやすくて様々な音楽要素が織り込まれてつながりもよくて一気に聴けてバンドの個性もよく分かる、これを。
○「こんな時代だから、何かスカッとイきたいよねスカッと」したい方
→“Soul Punch”。特に前半に明るい勢いのある曲が多い。
○「バンドって衝動っていうか熱さが命だと思うんだよね」語りたい方
→“Punch!Punch!Punch!”。ファーストらしい気合いの入った曲ばかり。
○「CKBってFunkとかR&BとかLatinがベースになってるらしいね」
→“Brown Metallic”“777”。4様(高橋利光)のキーボード音がら入るっていう入門法もあるかも。
○「レゲエとか好きなんだけど」
→“soul電波”。‘Summer Time’‘Rise &Shine’の気持ち良すぎるレゲエナンバーなど熱帯夜な曲が並ぶ。愛子ちゃんものでは“Zero”の‘珊瑚礁’も素晴らしい。
○「とびっきりぶっ飛んだ音はないのかよ!」トびたい方
→“Galaxy”。タイトル通りアチラの世界へ。
○「何だか甘くメロウな気分になりたいわ」な素敵な方
→“middle&mellow of CRAZY KEN BAND”。個人的には完璧な選曲。
○「車でイイ気分に走りたい」
→(たぶん)“GT”。近年車を運転してないのでたぶんだけど・・・
○「ピチカートファイブのファンなんだけど」
→“ショック療法”。小西康陽出資。
○「野坂昭如のファンなんだけど」
→“青山246深夜族”。野坂昭如共演。
○「アキ・カウリスマキのファンなんだけど」
→“Goldfish Bowl”。映画「過去のない男」で‘ハワイの夜’が使用。
○「一回関係したいんだけど」
→“肉体関係”。(<ネタ切れ)

というわけで、あらゆるニーズにお応えできるはずのCKBである。それでも
○「上のどれでもないんだけど」、という方にはとりあえずベストアルバムの“Oldies But Goodies”を。↑めちゃくちゃ平凡な締めになってしまった(修行が足りませんな。反省)。