NHK−BSh‘伝説のギタリスト’備忘録

 先日やっていたロック特番。5日連続だったが、元々観るつもりが無かったので初日のスペシャルは全く観ておらず第1夜と2夜も一部だけ。結構貴重な映像が多かったし、何せCharと野村義男の実演つきの親切な解説が良かったので途中からちゃんと観ることに。いやー失敗した。乞再放送。取りあえず観た分だけ備忘録的に雑感。

第1夜●三大ギタリストと呼ばれる男たち(E.クラプトン、J.べック、J.ペイジ)
 J.べックの途中までしか観なかったなあ。正直三人にそれほど思い入れが無い(笑)。なで、まあ三人に対する印象でも書いとくか。
 興味があるのはクラプトンかなあ。クラプトンっていろんな音楽やりながら常にロックの王道・先端を走っている印象がある。どうしてそんなにうまくいくんだろう、というひねくれた見方をしてしまうのだが、とにかく卓越したセンスと技量の持ち主だからこそだろう。それに歌も上手い。そのキャリアをまとめて追ってみたい気はする。
 べックに関してはとにかくカッコいいサウンドで、中学高校の頃はよく聴いたのだが、久しぶりに聴いても印象は変わらない。何かカッコ良過ぎてツルっとしてついつい流し聴きしちゃう。
 ツェッペリンはもちろん昔はハマりましたよ。今でもファンクロックの一つの答えを出したある意味最重要バンドでもある(レッチリの基礎でもあるだろうし、大好きなレニーニにも影響を与えている)。ただユーモアに欠ける点がどうもなあ。あと久しぶりに興味が出たので持っているライヴDVD観直したが、ペイジのソロパートの長さに疲れて途中で止めてしまったよ(笑)。

第2夜●偉大なるパイオニア(B.B.キング、C.ベリー、J.ヘンドリックス)
 これはちゃんと観れば良かったなあ。失敗。取りあえずB.B.キングは観た。何と2008年のライブだから83歳か!美人シンガーが登場した時の軽口とか、いかがわしい空気がいまだ漂っているところが素晴らしい。リッチー・サンボラ(ボン・ジョビ)もなかなかよかった。ブルースギターの歴史もいろいろ知りたいなあ。
 C.ベリーも80歳超えたライブ凄かったが、むしろ1986年のドキュメンタリー映画‘ヘイル!ヘイル!ロックンロール’のリハーサルでキース・リチャーズをいびる場面の方が印象的だったかな。これまで観たことが無かったので。全篇観るべきなんだろうなあ。Charによるチャックベリー奏法の実演も分かりやすかった(メロディとリフを一連の流れで一緒に弾く、というようなことを言っていたかな?)。奥が深いなーC.ベリー。
 J.ヘンドリックスは後期のファンクアプローチにどうしても興味が向いてしまうが、何はともあれ今回のは見逃してしまった・・・。

第3夜●名バンドを支えたギタリスト
 いろんな人登場。
 ピート・タウンゼントはギターアクションとリフの話。もうちょっと突っ込んだことを知りたかったな。
 ギター音的に一番好きなデヴィッド・ギルモア。大仰な割に空虚な印象のギルモア時代のピンクフロイドに興味はあまり持てないが、ギターの音は大好き。鳴っているだけで気持ちがいいなんていう人はなかなかいない。
 ジョン・フォガティは以前も今もピンと来ない。雨を見たかいの歌詞が意味深であることを知って驚いた覚えがあるくらいかな。
 ブライアン・メイのギターの音もいい。この人の場合クィーンサウンド全体があってのギターといったポジションであるところがポイントだろうなあ。 
 エイジアとマイケル・シェンカーに時間を割いているのが日本らしくて良かったな。いずれも最近のライブだけど、エイジアがイエスラウンドアバウトをやっていたのが意外と良かった。どちらも苦手なんだけど。商業主義的イメージで当時叩かれ放題だったエイジアだけど、今にしてみると曲自体ポップで悪くない。でもジョン・ウェットンの声質があんまり好きになれない。ハイトーン過ぎて苦手なジョン・アンダーソンよりはつらくないけど。まあ一番驚いたのは隠遁生活中の数学者の様な現在のスティーヴ・ハウのルックス!ロックな感じの年の取り方ではないな(笑)。
 マイケル・シェンカー懐かしいなあ。野村義男の言っていた通り、あの頃はArmed and Readyを弾いている奴ばっかだった。ノッさんが「ギタリスト大喰らい」で書いていたようにホント分かりやすいカッコよさ。だから個人的にはすぐ飽きてしまって。それにしてもこんな息の長いミュージシャンになるとは思わなかったね。

第4夜●ギターヒーロー大集合
 この日も沢山のギタリスト登場。3夜と4夜のテーマはかなり曖昧だな(笑)。4夜のポイントは若いミュージシャンが出ていることかな。新世代の御三家はかなり勉強になった。
 ジョン・フルシアンテレッチリね。自分にとっては頑迷にも偏狭にも依怙地にも「ファンクロックで成功すべきだったのはフィッシュボーン」なのでレッチリへの思いは複雑なものがある。もちろん彼らがいてP-funkが再評価されたのは疑いようのない事実なのだが・・・。ただ実際にレッチリを聴いてもハマったことが無いのだ。しばしばのぞくオルタナっぽいへヴィさや湿っぽいバラードがどうも性に合わない。あとP-funkのカヴァーになると多少アラもあってね・・・。もちろん最近は大分サウンドに余裕が出て、ミュージックヴィデオが最高なDani CaliforniaやHump de Bumpなんか非常に良いと思う。でもジョン・フルシアンテが抜けるとどうなるのかねえ。
 ジョン・メイヤーデレク・トラックスは不勉強にもはじめて。どちらもルーツミュージックをしっかり継承している優れたミュージシャンだと思うが、デレク・トラックスは多少気真面目過ぎるかも。まあジョン・メイヤーの方はむしろモテ過ぎかもで、Charが女性に気をつけないとみたいなことを言っていたのがおかしかった。
 オリアンティはかなり売れ線の曲も歌えるしテクニックもある将来有望そうな女性ギタリストでいろいろ出来るようだけど、ホントは何をやりたいのかしらね。自己主張をしてやりたいことをやった方がいいんではとお節介な感想をもらしとく。
 その他チープ・トリックが出てきたのは元ファンとしては嬉しかったな。ピック飛ばしと変型ギターの話しか出なかったけど、それでいいのだ。ロリー・ギャラガーなんて初めて観たな。

 Charと野村義男は昔からの師弟関係らしい。アイドル期があるところも共通で信頼感があるんだろう。「ギタリスト大喰らい」の対談でも野村義男は「最初はCharから」との発言があった。世代的に先達たちをよく知りルーツに忠実なミュージシャンに肩入れするCharに対し、メタルあたりにもコメント出来る野村義男という二人の立ち位置も絶妙で幅広いギタリストたちをカヴァーできる番組になっていた。しまったー全部観るべきだったー。も一度乞再放送。

※追記 スティーヴ・ハウの現在のルックスはこんな感じ。
Steve20howe


雰囲気誰かに似ていると思ったらポリス日本公演のスチュアート・コープランドだった。
Stewart

でここにアダム・クレイトン(U2)が加わると・・・
Adamclaytonu2_2

どーですか、ギター・ドラム・ベースが揃って、いい感じのメガネおやじじいスリーピースバンドが出来るではありませんか!実現楽しみにしてます!