2011-04-02 『出てゆく』タハール・ベン・ジェルーン 海外文学 出てゆくタハール・ベン ジェルーン早川書房発売日:2009-02ブクログでレビューを見る»新宿の紀伊國屋書店で昨年行なわれた‘文学ワールドカップ’で買ってみた本。モロッコ出身作家によるモロッコに関する小説。学歴を得ても仕事のない主人公アゼルはスペインへ渡ることを目指す。ゲイの金持ちに気に入られ、自らを偽り愛人として暮らし始めるが・・・。モロッコの社会情勢がシリアスに書かれた重い小説である。主人公たちは閉塞感から<出てゆく>ためにもがき続けるが、いつまでも出口は現れない。全体としてはちょっと生真面目さが強いかなと思うが後をひく小説である。不思議なラストも印象的。