『失われた時を求めて 抄訳版?』 マルセル・プルースト

相変わらずサロンの話が多いなあ。遊んで暮らしてうらやましい限り。語り手は内向的で優柔不断あとお祖母ちゃん子といった印象ぐらいでその周囲のエピソードにはどうも興味を惹かれない一方、「傲慢なくせに小心」(P595)なシャルリュス男爵(ゲイ)の話はちょっと切ない中年の悲喜劇になっていて面白い。また実在の人物など同時代らしい記述は相変わらず興味深い。