『中世騎士物語』 トマス・ブルフィンチ

 神話などの研究・紹介などで知られる(1796年生まれと本人自体がもう歴史上の人物になっている)アメリカの作家トマス・ブルフィンチによる中世騎士物語集。大きく分けて3部からなり、最初はアーサー王物語(「アーサー王とその騎士たち」)、次に「マビノジョン」、最後にベイオウルフなどが入った(ちょっとした補足程度の分量の)「英国民族の英雄伝説」。「マビノジョン」はウェイルズの民話集のようなのだが、アーサー王物語の外伝のようなものも含まれるようなやや散漫なエピソード集で正直あまり集中できず(変装して宴会にしのびこむパターンが2度あるなど、似たようなエピソードも目立つ)。基本的に本書の中心は最初のアーサー王の部分だろう。これだけで全貌がとらえられるようなものではないが、ラーンスロットやトリストラム(トリスタン)とイゾルデなど主要なエピソードを把握することが出来た。ラーンスロットがやたらともてるヤツであることと、モンティ・パイソンそのままに神様の手がいきなり出てきて聖杯をとってっちゃうところが印象に残った。<そこかよ(笑)