生誕100年 ジャクソン・ポロック展@東京国立近代美術館

 3月3日に究極の現代アートという印象のあるアクション・ペインティングで有名なジャクソン・ポロックの展覧会にいってきた。大変面白かった。
 http://www.momat.go.jp/Honkan/jackson_pollock_2012/index.html
 このHPの絵もアクション・ペインティングで、どうしてこういう作品を作るようになったのかに興味をそそられるのだが、ピカソの影響を大きく受けながらネイティブ・アメリカンやメキシコ壁画などの要素を吸収していって生まれたということらしい。ネイティブ・アメリカンがやっていた砂絵の手法、という記載もあってなるほどと思った。あと黒だけでシンプルに書かれたものには一連の縦長の作品が横に並ぶものもあって、まるで屏風に飾られた書や水墨画のようでもあった。直感的に創作する人というより非常に研究熱心な人だったのではないか。
 アクション・ペインティングから新たな手法に挑戦するも、むしろ造形があらわれて後退として批判されてしまったというのもなかなか辛い話だった。アルコール依存症におかされ最後はほとんど作品をつくれない状態だったようだ。結局44歳の若さで飲酒運転による交通事故で即死。目標だったピカソを超えるのに全精力を使い果たしてしまったような人生だ。
 画質はあまりよくないが、創作している様子を撮影したフィルムも興味深いものだった。
 そのフィルムを観終わって「今出てきた絵はここにあるの?」と聞く小学生の長男。
 「そんな難しいことはパパには分からないよ(笑)」