BS世界のドキュメンタリー<ソウル・ディープ>

 またまたtwitterNHK-BS世界のドキュメンタリーの音楽ネタ。これは現在放送中、<ソウル・ディープ>と題した全6回のブラックミュージック歴史もの。やはりBBC製作でロックものより古い2003年だが形式は似ている(※追記 どうも2005年のようだな)。いや順番からするとあっちが似ているのか。ある時代を切り取って、その時代の中心となるアーティストを提示して、その周囲を中心に時代の変遷を描くという方法。案内はやっぱりのピーター・バラカン
 昨日の第1回目は‘ソウル・ミュージックの誕生’で、中心はレイ・チャールズ1940年代に歌う内容によってゴスペルとブルースに分断されていたブラックミュージックがR&Bになって白人のファンも掴み、さらに1950年代にソウルへと変わっていく時代について。盲目の黒人で虐げられていたレイが憧れていたのはルイ・ジョーダン。ジャンプ・ブルースというノリの良い音楽をやっていた幅広いエンターテイナー。レイはR&Bの人気歌手ルース・ブラウンのバックを務めていた。アトランティック・レコードが売り出していたアーティストたちでもあった。 当初黒人だけの音楽だったR&Bには白人のファンもつくようになる。しかしライブ会場には警官が入り込み、ロープでお互いを分けるようなこともあった。人種差別的な緊迫した環境の中ミュージシャンたちは演奏をし、R&Bは次第に支持を得ていく。
 そしてよりセクシャルな内容を含みながら進化するR&B。ドラッグ禍を乗り越え、自分らしくある音楽ゴスペルとブルースを融合させたI've Got A Womanを出す。不謹慎な音楽ブルースと敬虔な音楽ゴスペルを融合させた禁断の音楽は人々に衝撃を与える。さらに女性コーラス、コール&レスポンスを取り入れたWhat'd I Sayでレイはソウルミュージックへの扉を開き、ジェームス・ブラウンが登場する。
 映画‘レイ’を観たことがあるので、レイを中心とした話はある程度知っていた。ルース・ブラウンはよく知らなかったが迫力があるなー。あと近年はルイ・ジョーダンの評価が高いというのも感じた。2003年の製作で亡くなっている人も多い。レイもJBもルース・ブラウンもアトランティック・レコードのアーメット・アーティガン(知っている人も多いだろうが実はトルコ人。外交官の息子で子供の頃からのブラックミュージックファン。好きな音楽の世界で偉人になった音楽オタクの理想のような人)も亡くなっている。そういう意味でも貴重な番組。
 さてあと5回も観られればいいのだが・・・。